カナヘビは世界の各地に分布していて、日本でも2属6種類のカナヘビが生息しています。
カナヘビの名前の由来の一つに、かわいらしいヘビからきていてる「愛蛇(かなへび)」があるように、その愛嬌のある姿からペットとしての人気が高まっている動物です。
今回は日本に生息しているカナヘビの種類について、ご紹介していきましょう。
日本に一番多く生息しているカナヘビ
日本人が自然の中で最も目にするのはニホンカナヘビで、日本のあらゆる場所に生息しています。
全身が茶色で体長は15~20cm程度であり、尻尾は体調の半分を占めていて、ニホンカナヘビはトカゲの種類の中では特に人間の目につきやすい爬虫類と言えます。
ニホンカナヘビはその目につきやすいところから、地域によっては本当のトカゲをカナヘビ、カナヘビをトカゲと呼んでいる場所もあります。
日本に多く生息しているトカゲはニホントカゲですが、生活の大半を地中で行っているため、屋外で活動しているカナヘビに比べて目撃例が少なくなってしまうので、仕方ないことなのでしょう。
カナヘビは毒を持っていないので近寄っても危険性はなく、噛むこともありますが、顎の力が弱いので全く痛くありません。
とても大人しい性格でもあるので、不意に出会ってそのまま飼育してしまう人も増えています。
生育期間も長く、いいパートナーとなってくれるでしょう。
寒い地域に生息するカナヘビ
カナヘビに限らず爬虫類は寒さを好みませんが、カナヘビの種類の中には寒い地域に生息しているものがいます。
それは北海道に生息しているコモチカナヘビ属のコモチカナヘビと、対馬にいるカナヘビ属のアムールカナヘビです。
コモチカナヘビはヨーロッパ北部から樺太、そして北海道にまで広く分布している体長15~20cm、灰色の体色に黒褐色や白などの斑点を持っています。
アムールカナヘビはその名前の由来となっているロシアのアムール川から朝鮮半島を経て対馬まで分布しています。体長は22~26cmあり、一般的には背中に黒い斑点を持っています。
寒い地域に生息しているカナヘビの一部は北極圏にまで生息している種類もいて、全てのカナヘビが寒さに弱いというわけではないことを実証しています。
温かい地域に生息するカナヘビ
本州・四国・九州の温かい地域にはニホンカナヘビがいますが、別の種類のカナヘビが日本の南方に位置する島で生息しています。
沖縄近くの八重山諸島にいるサキシマカナヘビは全長が26~30cmあり、日本にいるカナヘビの種類では最大なのですが、そのうち全長の3/4が尻尾となっています。
このサキシマカナヘビの特徴は体色は緑色が一般的で、背中にある鱗が小さくてニホンカナヘビにある稜線を持っていません。
鹿児島と沖縄の間にある南西諸島にはアオカナヘビという種類がいて、全長は20~28cm、体色は黄緑色で体の側面には白い筋のような帯状の柄があり、腹部は黄白色をしています。
他にも宮古島だけに生息しているミヤコカナヘビという種類がいて、全長は16~20cmでアオカナヘビによく似ていますが、体の側面に白い筋が入っていないので、そこで見分けることができます。
カナヘビは泳ぐことができないので、島にいるカナヘビはそこで独自の進化を遂げています。
ニホンカナヘビ以外の種類が島に集中しているのはそのためでしょう。
まとめ
カナヘビは全体的な印象はそれほど大きく違っていませんが、よく見れば体の色や柄が異なっていますし、生態も違っています。
しかし人間の目に触れやすい場所によくいるということや、とても大人しくて攻撃的ではないことは種類が違っていても共通の特徴となっています。
カナヘビが生息している島を訪れた際には、一般的に認識しているニホンカナヘビとの違いについて観察してみても楽しいでしょう。