ヒョウモントカゲモドキの産卵までには、親となる成体をクーリング(低温処理)したり、お腹の大きくなったメスのために産卵床を作ったりと色々準備をしていよいよ産卵、孵化の準備に入るのですがそんな時卵がへこんでいたらどうしましょう。
気になる卵のへこみについて。
ヒョウモントカゲモドキの卵!孵卵中の「へこみ」について
ヒョウモントカゲモドキの卵は、温度によって性別が決定するTSD(温度依存性決定)という少し変わった生態です。
孵卵中も28℃以下でほぼメス、30℃で7割メス、31℃前後で雌雄五分五分、32℃でほぼオス、34℃でほぼメスと、卵を管理する上でも温度湿度ともに非常に大切です。
ヒョウモントカゲモドキの卵は、鳥類の卵とは違い硬い殻で覆われているのではなく、弾力性のある皮のような半透膜で覆われています。
卵は半透膜を境界とした浸透圧で周囲から水分を自動的に吸水されるような構造になっています。
孵卵床の湿度を80~90%に保っておく必要があるのもこのためです。
ヒョウモントカゲモドキの卵は、順調に発育すると当初よりも大きく、膨らみもでてきます。
産卵直後の卵のへこみであれば、卵の発育に伴い孵化の可能性もあると考えられるため、それ以上のダメージを与えないように孵卵床で温度と湿度を保ちながら発育を見守りましょう。
逆に産卵後すぐのへこみではなく、孵卵中に大きくへこみ、萎れてしまっている卵は発育が止ってしまったと考えられる状態にあると思われます。
卵の発育が止まってしまう原因は、何らかの原因で呼吸が止ってしまった、産卵中何らかのダメージを受けた、無精卵だった等様々な要因があるようですが、はっきりしない場合が多いようです。
そのため、孵卵中に大きくへこみ、萎れてしまった卵は発育が止まってしまいそれ以上どうすることもできない場合がほとんどです。
悔やまれますが、他の卵のためにも時期を見て廃棄するしか方法がないようです。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキの繁殖は、初心者向けと言われています。
しかし、そうは言ってもまず、親となる成体のクーリング(低温処理)前の事前準備として、成体に充分な栄養を蓄えさせ、その後クーリング(低温処理)を行い発情を促し、交尾をさせ、メスの抱卵後は産卵の準備をし、産卵後は孵卵準備、孵卵準備後は孵化準備と、新しい生命の誕生はいつだってデリケートで大変です。
計画的に事前準備を行い、整った環境でなくては繁殖は行えないでしょう。