イモリとヤモリ、それにカナヘビは外見的特徴が似ているため、どこが違っているのかよく分かりません。
この三種類の違いについて説明できる人はそれほど多くないでしょう。
しかし、調べると異なっているところが幾つも有ります。
カナヘビはペットとして飼育している人も増えているので、この際ですから似ているイモリやヤモリについても知ってみませんか。
イモリ・ヤモリ・カナヘビの生息場所の違い
この三種類の大きな違いというと、生息している場所が違っています。
この違いですが、生物の名前からもその違いが分かるようになっています。
イモリですが漢字で「井守」と書くことがあります。
この「井」とは井戸を示していて、イモリが水辺で多く生息しているのでこのように呼ばれています。
昔は多くの家庭や集落には井戸が設置されていて、その近くでよく見かけるからこの名前になったと推測できます。
カナヘビやヤモリも偶然見かけることもありますが、イモリに比べると格段に少なくなっています。
ヤモリは「家守」という漢字が当てられています。
これは人家の近くで見ることが多いからであり、カナヘビやヤモリはほとんど見かけません。
ヤモリは照明の光に集まる昆虫を餌としているため、自ら人家に近寄って行った変わった動物です。
古来ではヤモリは家の守り神として崇められていたので、無理に追い払うようなことはしなかったため、ヤモリとしても安心していたのかもしれません。
カナヘビは山や草むらで見かける確率がとても高い爬虫類で、人家や水辺では見かけることが少なくなっています。
逆に草むらで何か物音がすればカナヘビであると言われるほど、その生活の多くを屋外で行っているのです。
このようにイモリとヤモリとカナヘビは見事に生息場所が違っているので、自然界ではあまり出会う機会がなかったでしょう。
ヤモリだけが持っている特徴とは
ヤモリだけが持っている外見的特徴というと、足の裏にある渦巻き状になった吸盤と言えます。
ヤモリは照明に集まって来る昆虫を餌にしているので、高いところに移動する必要があるからです。
この吸盤は実に優れていて、カナヘビも木の幹やコンクリートといったザラザラした面であれば上っていくこともできますが、ヤモリはガラスといった爪が立てられない壁も簡単に上っていけます。
ヤモリは人家を生息場所とする野生生物では少ない種類であり、人家のないような自然界で発見するのはとても難しくなっています。
爬虫類は苦手な人もいて毛嫌いされることもありますが、人間には厄介な蚊や蛾を食べてくれて、それでいて人間にはほとんど危害を加えないので、これからペットとして飼育する人も増える可能性を秘めています。
イモリだけが持っている特徴とは
イモリは姿は似ていても、カナヘビやヤモリとは明らかに違っています。
カナヘビとイモリは爬虫類ですが、イモリは両生類なので最初から種族が異なっているのです。
またイモリは木に登ったりしないので指に爪が無く、前足の指が4本という他の二種にはない特徴を持っています。
カナヘビとヤモリが人間に危害を加えないとされているのは体内に毒となる成分を持っておらず、顎の力が弱いために噛みついても全く痛くないからですが、イモリは体内に毒素を持っている種類がいます。
この毒はフグ毒と同じ成分なのでとても危険です。
人間がイモリの毒で重篤な状態になったという症例は出ていませんが、イモリに触ってその手で目を擦ったりすると傷つく危険性があるので注意が必要です。
日本の本州によくいるイモリの中でお腹が赤くなっているアカハライモリにはフグ毒と同じテトロドトキシンを持っているので、近くで見かけても手を出さないでいて下さい。
カナヘビやヤモリと似ていてこの二種が人間にとって安全な生物であっても、外見が似ているだけでイモリだけは別と考えて下さい。
まとめ
イモリ・ヤモリ・カナヘビの共通の特徴としては、とても大人しくて攻撃的ではないということです。
しかし生物にはその個体独特の特徴というのを持っているので、やたらと近付いて行ったり触ったりするのはいいとは言えません。
正しい知識を持っていれば接触してもいいのですが、山や草むらで突然に遭遇しても見るだけにして、自ら手を出すのは極力避けるようにしましょう。